2011年4月28日木曜日

「宇宙・子供・お化け井戸」

---グスタフ・マーラーの不思議な角笛とともに---

変声期の男児の喉を
覗き込む悦楽をあなた方は知っておいでかね

出所不明のおのれの力に
とことん戸惑っているお化け井戸だよ

しかもそこから縁日の色とりどりの出店みたいに
一切合切何でも出てくる

たとえば 年上の女を前にふつふつ煮えたぎる咆語のマグマ
たとえば 両親や教師に向けての時には暴発寸前の殺意などなど

他にもいっぱいあるにはあるが

彼の中心は超高速の
渦状星雲!

ところが多くのオトナらは

アリストテレスが鋭敏に感じたような
けっこう不穏な「火の元素」が
子供のなかに宿っているとは
日頃思ってもみないみたいだ

おのれも危ういガキであったことを綺麗さっぱり
忘れやがって

そうだ

変声期の男児の喉を
一度くらいは古里へ戻るつもりで覗いてみるんだね

バサッと、
どでかいコウモリが飛び出すこともある

おまけに元来宇宙そのものは子供と同じく
何でも不味くて嫌いなものをぺっぺっ吐き出す
お化け井戸でもあったわけだし

とりわけ
不味くて
地べたに大量ににべもなく吐き出されたのは
魚に説教するパドヴァの聖アントニウスはこの際別として

もちろん
人類

言葉Y先生、写真K