中学1年生の僕は給食で出たパンをかじりながら友達と下校していた。
いつも通り過ぎる信夫支所の前をただパンをかじりながら。
その日も何時もの様に通り過ぎると支所の駐車場に不良の大群が居た。
不良漫画の全員集合みたいな風景。
後から気付いた事だけど、その日はいつも賑わう信夫支所の周りには人がいなかった。
いつもの様に通り過ぎられる訳はなくやっぱり声をかけられた。
「おーい!」
僕と友達は「ハイ」と言った。
僕は絶対に「ハイ」と言ったんだぁぁぁ・・・。
「ハァ?」と聞こえたらしい。
あー・・・「かつあげなら馴れてますよ」と、けれどそっちに呼ばないで・・・。
僕は不良達に一生懸命弁明をした。
心の底から弁明をしながら思った。
「パンのせいだ」
パンを口の中に入れたまま「ハイ」と言ったから「ハァ」って聞こえたんだ。
あまりに僕が興奮するからか、不良達は「もう行って良いよ」と言った。
それから僕はロックンロールやビートを教えてもらった。
ジャズまで聴く様な奴までいた。
そのうちの何人かはもうこの世にいない。
出来過ぎた話。
出来過ぎた話のお陰で生まれたこのブログ。
世界もきっと出来過ぎた様に上手く行く。