2011年3月29日火曜日

〈こんな時には〉

〈こんな時〉にはアメリカの作家リチャード・バックの
短編中の人物たちの出会いのようなものがあってもいいな。

ひとりの大の飛行機好き野郎がイリノイ州の大平原の上空を
飛んでいたとき、地上にポツンと一機の古い複葉機
〈トラベル・エア4000〉が着陸しているのが視野におさまる。

「好きな所へ飛び好きな時に降りる生活は自由なものだが、
時々、人が恋しくなったりするものだ」という思いもあって

野郎は複葉機の傍に降り、
「やぁ、君がなぜか寂しそうに見えたんだよ。」
「君だってそう言えばそう見えるぜ」
「じゃまかな?じゃまなら消えるけど」

「いや、待っていたのさ、君をね」
「そうかい、遅くなってごめんよ。」
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遅くなってごめんよ!

時空の物差しから外れまくった、なんたる出会い!
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〈こんな時〉〈こんな出会い〉があちこちで
いや、至るところで数えきれないほど在ったらいいよね。

(註)リチャード・バック【イリュージョン】
村上龍・訳(集英社)から
Y先生より