2011年5月7日土曜日

放射能といじめ//Talking to Me

ある家族が子供をつれて被災地へ行った。
子供にその光景を見せる為だった。
家に帰って来た子供は口を聞かなくなった。

県外へ避難、又は引っ越して行った人がいじめに遭うのは
容易に想像できる。
子供は残酷だ。
いじめる側は当たり前に放射能の事なんて『怖い』以外にわからない。
その親や大人が教えれば良いと言っても、
経験をしていないのだから本当の意味で知る事なんてできない。

被災地で撮られた数々の写真に強く胸を打たれる。
山や海で静かに暮らしていた人達の皺の年輪が、
この出来事の凄まじさを物語っている。
これだけ堪える民俗が更に年輪に過酷を刻む。
子供を抱く自衛隊の笑顔は、
そんな場所でさえ人が笑顔になれる事を教えてくれる。
そして最後の人は、
そういえば
I Love Youという言葉があるが、
震災から僅か二ヶ月で起きているいくつかの事が不純でならない。

僕らKenjiが撮る写真は、
ここにある写真程ドラマティックではない。
僕らは言わば隙間産業だから。
でも、
僕らが見て来た地の人は、
今も同じ様に人と土地を大事に思っている。
色々な問題はあるけれど、
どうにかその土地で生きようと手をつないだり、
喧嘩をしたりしている。
まだまだそれは続くから。
僕らは出かける度に、
ローカルなコミュニケーションの取り方をもっと繋げて行こうと思うのだ。

いじめは仕方がない。
そんな風に、
子供の頃から変わっていたり、
差別されていたりして大人になった人間、
そう、僕や現場で働くいくつかの友人、
僕のおかしな夜の世界に住む友人、
彼らはきっとみんな言うだろう。
僕だって何かなければキヨシローなんて聴いていないのだ。
僕らが今そう言えるのは、
その都度自分がそうされる原因から逃げなかったからだ。
理解しようとして、自分を狭めないで、でかい夢を見た。
助けてくれる人なんて何処にもいなかったと思っていたよ。
でも本当は存在していた事を自分が見れていなかったと気付いた時、
偏見のいくつかは愛から来るものだと理解できる。

そういう出来事は時間が経つ毎に減って行くもんだよ。
保証する。
けれど、
自分自身が根に持っていては終わるばかりか、
大人になりもっと酷いいじめに自分が参加する事になってしまう。
いじめに遭う子供がいじめの理由を理解していなければ、
相手に伝えることはできない。

県外に行く家族は子供に大人以上の放射能の教育をして欲しい。
曖昧に「放射能」だけでいじめられていると思ってしまったら、
その子供の将来は、
そして何より福島県に住む人達の将来はどうなってしまうんだね?
一番に怖いのは根本的ないじめの原因をわからないまま大人になってしまう事だ。
しかしあなたの子供がどうなろうが僕には関係ない。
でも僕の土地や家族は関係がある。
あなたがここで暮らしていたなら、
それは何処かで繋がっていたのだから。

もしこれをそのいじめられていた本人が見ているのなら伝えたい事がある。
負けないで、強く生きろ。
そしてその悲しみや怒りは将来の為にとっておけ。
とっておけばその意味が人間を知る為のヒントになる。
自分より辛い人がいるなんて考え方はしない方が良い。
地震、津波、原発事故、放射能。
直接の被害、間接の被害。
君は世界で一番不幸なのだから。
君は子供でいる事で世界一不幸なのだから。
不幸なのだからその不幸の意味を知るんだ。
誰よりも知れた時、
その不幸はなくなるよ。
そして写真の人達の様に人の事で泣いたり笑ったりできる様になる。
君がいない間、
福島はもしかしてもっと大変になるかもしれない。
それも気に病むな。
君には君のやる事がある。
君の家族も兄弟も誰も悪くない。
その経験を大事にするんだ。

 Mayor of Simpleton
And I may be the Mayor of Simpleton
私はまぬけの市の市長かもしれない
But I know one thing and that's I love you
それでも一つだけ、君(達)を愛している
When their logic grows cold and all thinking gets done
理論がつまらなくなって、全ての考えが詰まってしまった時
You'll be warm in the arms of the Mayor of Simpleton
君も僕の"まぬけの市"の腕の中で心地よくなるよ


イギリスのバンドは、
特に詩にぶっ飛ばされるんだよ。
とても捻くれていて、知己に飛んでいる。
XTCというバンドもそうだ。
僕は子供の頃この曲をラジオで聴いて考えるのを止めにして、
バカボンのパパが行った大学へ行こうと決心した。
海外の曲は英語だから歌詞が気になる、
だから英語を勉強する、
ところがイギリスのバンドの歌詞を完全に理解するには、
彼らの血と感性に入った文学を理解する必要もある。
そんな事をやっているうちに、
人は大人になる。
だからそんな君もこういうの聴いて不良になって、
イギリスとかフランスとか行けば良い。
不思議な事にヨーロッパの不良はインテリが多いんだ。
だけど鍛えられた感性で
ここに戻って来て何か始めるのはもっと良い。

これを見れたなら、
今ある世界がそれだけだと、
口を聞かなくなるには君は成長し過ぎているのだから。

遠くに行く福島県民。
どうか元気で。
気が向いたらまた戻って来て欲しい。
そして遠くでこのブログを見る事があったら、
いつか写真の土地の為に、
 還元していってもらいたい。

写真はインターネットからちらほら
時間が経つ程に生きてくる