N.Yに住むロック好きのUNO仲間からメールが来た。
「サイモン&ガーファンクルの40周年記念盤買った?」
買ってない。
だから買ってきた。
さすがに最近は「大丈夫か?」と言わなくなった。
「祈ってる」とか阿呆な事は言うが、
意味がわからないから止めてくれと言いたい。
祈っているくせに、
「俺の友人はFukushimaに住んでいてサバイブしてるんだ」と
仲間に言いふらしているのを先日聞いて本当に恥ずかしくなった。
どうやら日本に住んでいる人間はサバイバーらしい。
彼と出会ったのはオンラインのUNOだった。
最初の頃彼は「フロイドは1stだけだよな」と言ってきた。
まさに。
僕は彼に聞いてみた
「じゃあクリムゾンはREDとエレファントが入ってるのだけ」
僕はあまりプログレが好きではない。
理由は"長い"から。
長いというのはロックンロールにとって最大の弱点だ。
ロックンロールは4分を超えたあたりで
自意識まき散らしのノイズに変わってしまうのだ。
プログレは20分も30分も演奏して表現しているが、
ピートタウンゼントは腕のグルグル一回で話しがついてしまう。
そういう事なのだ。
けれどYESは好きだし、一応フロイドもクリムゾンも、
その他の変態なやつも結構持っていたりする。
フロイドの1stは厳密にはプログレではない。
まったく別のバンドだし、サイケだ。
そしてサイケではあるがパンクも予言している。
少し前の13th floor elevatorsが近い。
13th floor elevatorsをTelevisionがカバーしている事から、
予言はあながち間違っていなかったという事だろう。
クリムゾンのREDはプログレが好き嫌い以前に凄まじ過ぎる。
特にStarlessはぶっ飛んでる。
あと裏のジャケットがカッコいい。
あれだけを見る為に買っても損はない。
そういう趣味が合い彼とはガッツリと気があった訳だ。
彼とは地震以前はDVDを同時再生しながらチャットをした。
しかし彼は歌うのだ。
それがとんでもなく煩い。
ケイトブッシュのDVDを見ていた時は特に酷かった。
オノヨーコの現代音楽もビックリだ。
サイモン&ガーファンクル。
僕が彼らを好きな理由は仲が悪いから。
同じ理由でKinksも好き。
レノンとポールはちょっとゲイのカップルに近い。
それは微妙な差なのだが、仲がいいバンドにはマジックが生まれない。
だから僕は仲良しで民主的なシステムのバンドが好きではない。
例えばU2。
あいつらは最悪だ。
史上最高に仲が良くて、
おまけにボノのうさん臭さとサングラスがムカつく。
ところが『嫌いなバンドのDVD特集』をそのN.Yの彼とやった時
U2で大泣きした覚えがある。
二人で「where the streets...」と泣きながら合唱した。
最高だった、まったくやってくれた。
それでライブにいってまた泣いた。
何て言うか、
U2のライブには人の繋がりを信じたくなる瞬間がある。
今日はS&GのCDについてきたDVDを
久々にFKS&N.Y同時再生で観ようと思う。
Troubled Water
日本語に訳すのはなかなか大変だと思う。
しかしながら、僕らも橋をかけねばならない。
こうなってみてわかってくる意味もある。
彼とはお互いに顔を知っているが会った事がない。
これが終わったら、
今まで会った事のない世界中の友人達に会いに行こうと思う。