岩谷下交差点のガソリンスタンド
「18ℓですね?」
震災の後にもこの場所に灯油やガソリンの給油にきた
なにかにつけて震災と関連づけているわけではないけれど
ふとした瞬間に思い出し意図しなくても話題にあがる
こればっかりは逃げる逃げないにかかわらす
離れていくことはないのだ
「先にカードの返しです」
いつもの店員さん
彼の後姿を見つめながらあることを思い出す
先週のこと、
僕の身内のひとりが体調を崩した
症状は大したことはないのだが高齢ということもあり
大事をとって年明けまで入院することになった
病院にお見舞いにいくと彼は
タオルで顔を覆いながら泣いていた
僕は数回しか会ったことがないが
近しい人たちはそんな彼の姿を見るのは初めてだったようで
相当なショックを受けてしまった
僕は彼にも周囲にもかけてやれる言葉がなかった
こんな時、毎度のごとく思うけれど
僕は僕でやるべきことをやるしかない
「帰りはどちらに」
「いつものほうに」