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「大丈夫」から「大前提」へ
祝福の季節は終わった
何もかもが美しく驚きに満ちた贅沢な季節
全ての遺体を超えて
大丈夫から大前提へ
「わからない」が不安の原因だった時、
自分たちはわからない事をわかろうとするのではなく、
飛び込んだ
わかることが邪魔をする
飛び込もうとする気持ちに鎖をかけて
ジャラジャラと音がする方向へ目を向ける
"生活を考えろ、道徳を歩け、正しいことをしろ、ユーモアはいらない..."
"私は違う、私は該当する、私の考えは..."
日常は食い尽くす
嫉妬は彼女の提案を侘しい大地に悉く叩き付ける
きみたちの体たらくな僻み！
開かれた視界に
こんなことどうしたらいいのだろう
しかし
「わかる」の退屈の中
更なる驚きを求め
「わからない」に思い切り飛び込む準備
僕らはここまでなのだろうか
いや、きみたちは僕を知らない
人類の限界は個人の限界とは違う
ここからが試される時
何もかもが美しく驚きに満ちた贅沢な季節を超え
この大前提をもってして誰も予測できない未来へ
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「メガ・投石・マシーン」
批評家ルイス・マンフォードーーー彼は
規律のとれた大きな人間集団を
「メガ・マシーン」と名付けていたが、
〈私（何者？）〉が燻り出しの穴ぼこからよろけ出た舌で云うなら
『ゴドーを待ちながら』の乞食哲学者ウラジミールが
ボロ靴をやっきになって脱ごうとしていて
それがなかなか脱げないうちに
国家という名の〈メガ・投石・マシーン〉の群が
金盥の底の大きな赤い蟹のように
新たに至るところでガサガサせめぎ合う
ーーーーさらにそれらのマシーン群には
プロセインのきつい頭痛持ちの男によると
「噛みつく癖」もあり
噛むは噛むでも「盗んだ歯」で噛みつくらしい
ところが他方
それらの甲殻類がどでかい石を投げ合っている時代にあっても
安二郎のがっしり構えたカメラの先には
誰に感じ取られることもないままに
兵士の姿が収まるスペースは一切落とされ
そこにはヒーローを必要としない社会が
なんとも静かに灯っていたようだ
ーーーーどんな時でも
一生斯うなって万古疲れるだけだから
ヒーローをやたらに欲しがる社会などまっぴら御免だな
言葉Y先生、写真K
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